パン屋さんやコンビニ、スーパーに行くと、最近よく目にするのが「全粒粉パン」「ふすまパン」。
何となくカラダに良さそうな感じ……曖昧にとらえている方が多いと思います。
味や食感は小麦のパンに比べ、個性が強めですが豊富な食物繊維など栄養分を摂取できるパンです。
美容や健康など目的に合わせて選択するとパンライフがさらに広がることでしょう。
全粒粉パンについて

見た目が茶色く素朴な感じがするパン。全粒粉パンの特徴や味をお伝えします。
全粒粉パンとは
「小麦粉のパン」は小麦の胚乳部分だけを使用したもの。
「全粒粉パン」は、小麦の表皮や胚乳、胚芽の部分を全ていれて製粉した「全粒粉」を原材料として使用したパンです。
原材料の小麦には3つの部位があります。

■小麦粉▶胚乳部分だけを使用
■全粒粉▶胚乳・胚芽・表皮を全て使用
全粒粉パンを食べてみたら……

(画像:パスコ「麦のめぐみ全粒粉入り食パン」)
パンの中にツブツブが入っているのが、見て取れます。ツブツブは小麦の表皮と胚芽です。
小麦粉パンに比べて全粒粉パンは歯ごたえがあります。
しっかりと噛むことで広がる小麦の香り。
また噛むことで満足感がえられ、食べすぎを予防できるメリットもあります。
全粒粉パンの栄養について

全粒粉パンは、胚乳だけの小麦粉パンと比べて栄養面での違いはあるのでしょう?
小麦粉を精製する際に取り除く胚芽や表皮には多くの栄養が入っています。
カラダを気遣う方達に人気がある全粒粉パン。
全粒粉部位ごとの栄養については次の通りです。
部位 | 栄養分 |
胚乳 | 糖分・タンパク質 |
胚芽 | タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル |
表皮(ブラン) | 食物繊維・ビタミン・ミネラル |
白い小麦のパンは栄養価の高い部分を使用していないパン。
全粒粉パンは小麦の栄養を余すことなく食べる栄養面で優れたパン。
全粒粉パンは糖の吸収が穏やか
全粒粉パンはふつうの食パンや白米よりもGI値※が低い食品。
GI値が低い食品は食後の血統値の急上昇を抑えられ、穏やかに糖を吸収します。
穏やかに糖を吸収することで、腹持ちが良くなります。
急激に糖を吸収した場合、吸収した後にすぐ糖をカラダに取り込みたくなり、すぐに食べたくなるということがおこるのです。
※GI値とは:糖がカラダに吸収される値
たまプラーザにある全粒粉パン専門店
全粒粉パンのの専門店のご紹介です。
全粒粉は無農薬にこだわり、さらに自家製粉をしている「ビオコンプレ」。
ネットで購入することもできます。
小麦ブラン(ふすま)パンについて

小麦ブランパンは、小麦の胚乳と胚芽を取り除いた小麦の表皮で作られたパン。
小麦ブランはお米で例えると「ぬか」部分になります。
昔は捨てるか、家畜のえさに使用していましたが、最近では糖質も低く栄養価が高いことから価値を見直され、ダイエット食などで注目されています。

廃棄されていた食品が見直されています。
小麦ブラン(ふすま)パンの味は?
小麦ブラン(ふすま)パンをダイエット目的で毎日食べている方が多くなりました。
小麦ブラン(ふすま)パンの味は、ぼそぼそするような食感で、小麦粉や全粒粉パンに比べてあまりおいしくはありません。
小麦ブラン(ふすま)パンをおいしく食べる方法
小麦ブラン(ふすま)パンは小麦粉のパンに比べて味は落ちますが、工夫次第でおいしく食べられますのでご紹介します。
- リベイク(トースト)する前に霧吹きで水分を足す。食感がしっとりしておいしくなります。
- チーズや卵などをのせて食べたり、カレーと一緒に食べる。
また、小麦ブラン(ふすま)パンを専門に作っているパン屋さんは、独自の工夫でおいしい小麦ブラン(ふすま)パンに仕上がっています。
食べ比べて自分に合ったパンをみつけてください。
小麦ブラン(ふすま)パンは食物繊維の宝庫

小麦ブラン(ふすま)100g中に43gの食物繊維が含まれています。
これは白米に比べると 86倍、玄米に比べると14倍もの食物繊維が含まれています。
厚生労働省では、成人一日当りの食物繊維摂取量は約20g以上を推奨しています。(下記参照)
小麦ブラン(ふすま)パン1個で食物繊維を十分に摂取できると考えられます。
まさに食物繊維の宝庫と言えるでしょう。
厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、一日あたりの「目標量」(生活習慣病の発症予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量)は、18~64歳で男性21g以上、女性18g以上となっています[2]。食物繊維は、体に絶対的に必要な栄養素ではありませんが、体の健康に深く関与する食品成分です。平均摂取量と目標量の差を見て明らかなように、食物繊維の積極的な摂取が必要です。
(引用元厚生省サイトより)
食物繊維に期待すること

全粒粉パンも小麦ブラン(ふすま)パンも食物繊維が多く含まれていることがわかりました。
その食物繊維について詳しくご紹介します。
厚生労働省のサイトでは次の記載があります。
食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、大腸まで達する食品成分です。便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。現在ではほとんどの日本人に不足している食品成分ですので、積極的に摂取することが勧められます。
厚生省サイトより

食物繊維は、途中で吸収されることなく大腸までしっかり届いて、いい仕事をしてくれるのですね。
食物繊維で整腸作用
腸内環境を整えると便秘だけではなく、肌の調子もよくなりますね。
食物繊維がしっかりお腹のお掃除をしてくれます。
食物繊維で血糖上昇抑制
通常食事をすると急激に血糖値があがります。
食後眠くなるのは急激な血糖値上昇によるものだと考えられています。
食事に食物繊維を取り入れることで、糖が腸に吸収される速度を遅くし、血糖値の上昇を抑制してくれるのです。
食物繊維で血液中のコレステロールを排除
食物繊維が腸内を移動する際、コレステロールを吸着する働きがあり、吸着したものは便と一緒に排泄されます。
これからのパンとの付き合い方

お米は白米より玄米、砂糖は精製していない黒糖などは栄養価が高いといわれています。
栄養面では小麦粉より全粒粉のほうに軍配が上がります。
パン屋さんでは、おいしさの面で小麦粉のパンが主流に販売されています。
そんな中でも健康維持という目的で「全粒粉パン」「小麦ブラン(ふすま)パン」を取り入れてみてはいかがでしょうか?
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